ほんものにっぽんにのへ

ほんものに出会う旅 4

ROUTE & SPOT

郷土の味を求めて

郷土の味を求めて
厳しさと豊かさから生まれた
美しき味を追う。

雑穀、おやつ、三大ミート

旅で出会いたいのは、その土地ならではの風土と生産者のこだわり、暮らしの知恵が形成した郷土の味。二戸には、良質な肉から雑穀まで、歴史に裏打ちされた奥深き食文化がある。いざ、鼻を利かせて美しき味を追うルートへ。

二戸が「三大ミート」として誇るのは、雄大な稲庭高原でのびのびと草を食んで育つ「いわて短角和牛」、口溶けの良い脂が強みの「佐助豚」、こだわりの飼料で育てる「ブランド鶏」。

そして、太平洋沿岸から吹く冷たい偏東風の影響で稲作が難しいこの地方で、古くから日々の糧として食されてきたのが、ひえやそば、小麦、大豆などの雑穀。ビタミンやミネラルなどの豊富な栄養素が含まれており、米に代わって人々の暮らしを支え、品種改良により稲作が安定した今でもなお、しっかりと地元の食に根ざしている。

川魚などで出汁をとった汁に小麦粉を練ったものを入れる「ひっつみ」、稀少な二戸在来品種を使用した「玄そば」、蕎麦や小麦を手延べして三角形に切ったものを茹で、にんにく味噌をつけて食べる「かっけ」など、二戸の雑穀料理を知るほど、より美味しく食べようと知恵を絞った先人たちの姿を伺うことができる。

さらに、その素朴で愛らしい姿形に思わず心躍り、別腹に詰め込んでしまうのが、お土産店や産直などで出会う二戸の郷土おやつだ。地元の女性たちが集う「佐太郎茶屋」を訪ねれば、「てんぽ焼き」や「へっちょこ団子」を一緒につくりながら、それらが生まれた背景を聞くことができる。北東北のソウルフードでもある南部せんべいの歴史から新しい楽しみ方までを知りたいなら、「南部煎餅の里。」へ。

写真:安彦幸枝、tarakusa

ほんものに出会う旅 #4「郷土の味を求めて」でご紹介したスポットリスト

きんじ

二戸駅から歩いて1分の食堂。名物メニューは、「岩手中手(なかて)」と呼ばれる二戸在来品種を使用した、香り高くコシの強い「玄そば」。稀少性が高く、生産量も決して多くないことから、二戸市内でも岩手中手のそばを食べられるのはここだけ。事前に電話で注文すれば、蕎麦を手延べして三角形に切った「かっけ」も用意してくれる。地元の名酒・南部美人の品揃えも充実し、昼夜を問わず賑わう人気店。優しい店主から、二戸の食にまつわるあれこれを教えてもらう時間も楽しい。ランチも営業。
住所:岩手県二戸市石切所字枋ノ木63-12 小松ビル 2F
電話番号:0195-23-3028

「よりゃんせ金田一」は、金田一地区の民話や年中行事、しきたりなどを今を生きる人たちにもわかるような形で継承することを目的にした地域活動グループ。「佐太郎茶屋」を活動拠点として、二戸の郷土おやつである「てんぽ焼き」や「へっちょこ団子」をつくったり、金田一温泉郷に祀られた三観音(舟沢観音、日の沢観音、舟越観音)を巡ったりと、地域に根付く文化体験ができる。
住所:二戸市金田一字野月144-1
電話番号:0195-27-4497

南部せんべいの老舗「巖手屋」が運営。伝統の南部せんべいにチョコレートをあわせた、新感覚のお菓子を製造・販売する「北のチョコレート工場兼店舗 2door(ツードア)」では、製造工程をガラス越しに見学でき、ショップにはチョコレートをはじめ、チーズ、カレー、納豆など、さまざまな食材と組みわせた100種類にも及ぶオリジナル南部せんべいが並ぶ。さらに、岩手県産のそば粉を100%使用した手打ちそばや旬の野菜、地元産の雑穀を使った郷土料理などを提供する「自助工房 四季の里」、巖手屋の創業者である小松シキの人生をゆかりの道具や資料とともに展示した「小松シキ・記念館」も併設する。南部せんべいの歴史や進化に触れることができる。
住所:岩手県二戸市石切所字荒瀬49-1
電話番号:0195-23-7148

二戸の恵みをふんだんに取り込んだ料理が自慢の温泉宿。夕食では三大ミートを始め、ミネラル豊富な大地で育つ野菜や果物を活かした料理や郷土料理が漆器に美しく盛られる。
住所:岩手県二戸市金田一字湯田43-5
電話番号:0195-27-2221

戸々魯 (ととろ)

新幹線発着前後に郷土料理を食べたくなったら、二戸駅に直結したカシオペアメッセ・なにゃーと2階のレストラン「戸々魯」へ。ひっつみ汁やせんべい汁など定番の郷土料理のほか、二戸の三大ミートを使った定食メニューが充実。
住所:岩手県二戸市石切所字森合68 カシオペアメッセ・なにゃーと2F
電話番号:0195-22-2206

藤原せんべい店 (ふじわらせんべいてん)

二戸では、古くから小麦粉を原料とする南部せんべいが、ごはんやおやつとして親しまれてきた。昔ながらの木炭で焼く「藤原せんべい店」の原料は、小麦粉・ごま・塩・重曹のみ。小麦粉は香り豊かで粉自体に甘みがある岩手県産の南部小麦100%、炭は二戸の折爪岳の麓で焼いているものを使うなど、地元素材を活かしてつくられている。
住所:岩手県二戸市金田一字八ツ長64
電話番号:0195-27-3847

藤原製菓店 (ふじわらせいかてん)

1950年創業の「藤原製菓店」が作るのは、かつて子どもたちの最高のおやつだったという大麦や小麦のもやしを使用してつくった自然な甘みの水飴。麦芽には「ジアスターゼ」という酵素が多く含まれ、これが炭水化物に作用すると麦芽糖になる。地元では、この水飴を南部せんべいに塗ったり、料理に使ったり、漬物の隠し味に使うそう。手づくりの麦芽入り水飴に醤油やニッキを混ぜたレトロな可愛さが光る「たから飴」も人気。
住所:岩手県二戸市金田一字荒田79-4
電話番号:0195-27-2672

いわて短角和牛の卸を行う「有限会社 山長(やまちょう)ミート」が直営する短角和牛の専門店。いわて短角和牛の赤身主体のヘルシーな肉は、うまみ成分(アミノ酸)も豊富。牛肉本来の味を楽しむことができる。専門店として、卸業者の強みを活かし、赤身本来の味はもちろん、ホルモンなど様々な部位を味わいつくせる。
住所:岩手県二戸市石切所字荷渡22-2
電話番号:0195-23-0829

幸の蔵 (さちのくら)

使用する鶏肉は、すべてブランド鶏「菜彩鶏(さいさいどり)」という鶏肉料理専門店。二戸を含む県北地域は、木炭の生産量が日本一。「幸の蔵」では天然のナラの木を原料とした「岩手切炭」を使う。遠近赤外線で食材をすばやく加熱し、うまみ成分や肉汁を逃さないため、外側はカリッと、内側はふっくらジューシーに焼き上げた肉の旨味が味わえる。
住所:岩手県二戸市福岡字上町3-2
電話番号:0195-23-4141

Restaurant Bonheur (れすとらん ぼぬーる)

地産地消にこだわったイタリアン&フレンチレストラン。いち押しは、二戸が誇る三大ミートのひとつ、「佐助豚」を使ったハンバーグ。折爪岳を間近にする森のなかでのんびりと育てられた佐助豚は、200〜300万年前の地層から採取された植物性炭化物を加えた飼料などを与えられ、臭みやアクがないキメ細かな肉質が特徴。脂の融点が低いことから口のなかに含むと、すっと溶け出すほど。おともには赤ワインはもちろん、通な地元客に倣って南部美人の熱燗も。
住所:岩手県二戸市石切所字枋ノ木17-1
電話番号:0195-26-9015